#norelated #topicpath #contents //過去ページが膨大になってきたので再編。 // -050101〜051231に開催された公式のイベント・クエスト~ // *オリアクスとルーチェの「恋のドキ☆ドキ Attack!〜バレンタイン大作戦〜」 [#o00aa07d] -050214〜050215~ -「血のバレンタイン」と呼ばれる~ // *少年ユンの物語〜Southern Gate Keeper 誕生悲話〜 [#v0cb3019] -050318〜050408~ -第1期ストーリーイベント 第一章、正式サービス移行記念作品~ -ハドソン『Master of Epic』運営チーム 実施~ -第一部(オープンβテスト)050318〜050327、第二部(正式サービス)050401〜050408~ ~ -CAST~ --ユン、オリアクス、ルーチェ、キング オラージュ、ウォルフガング、イーゴ~ ●あらすじ 「一緒に・・・来るか?」 男の問いかけに、少年は小さく頷くと、おそるおそる手を差し出した。 記憶を失った少年【ユン】と、邪神を崇めるマブ教のギルド・マスター【オリアクス】。 2人の物語は、深い森の片隅での偶然の出会いから始まる。 マブ教の本拠地で生活を始めたユンは、少しずつ日々の生活に慣れ、元気を取り戻していった。 だが、失った過去の記憶は戻らない。 「自分は何者なのか…?」 彼は記憶のカケラを探し求めて、事あるごとにムトゥームを抜け出すようになる。 オリアクスは、そんなユンの様子を気にかけつつも、目前に迫る【マブ神祭】の準備に追われていた。 やがて始まる、マブ神の祭。 血の礼拝を行うたびに、ダイアロス全土に闇の気配が膨れ上がってゆく。 城下町ビスクを拠点とするラル・ファク教などの各地の勢力は、その力に抗うために立ち上がるが、 闇の力は日増しに強まるばかりだった。 時を同じくして、ユンの心に変化が訪れ始める。失った記憶が、少しずつ戻って来たのだ。 ―そして物語は、ダイアロス全土を巻き込み、意外な展開を見せて行く。 ■Scene.01. ユンという名の少年~ #region(※ストーリー) 【 神託 】~ マブ神の声が、響き渡る…。~ …過去の見えざる存在~ …混沌の黒い翼~ …闇よ~ …使者をかの地へ~ …新たな魔を~ …混沌の…~ …混沌の……~ (なんの事であろう?)~ いぶかしみながらも、マブ神祭を執り行うと流布するイーゴ。~ …神託からほどなくして、オリアクスが一人の少年をムトゥームへと連れ帰った。~ 「なるほどな…」~ イーゴは視線を下げ、静かにほくそえんだ。~ ~ 【 少年 】~ 目を開くと、緑の樹海が広がっていた。~ (ここはドコだろう?)~ 少年はゆっくりと立ち上がり、辺りを見回す。~ (――行かなくちゃ)~ 頭はそう急かすのに、どこへ行くべきだったのかを思い出せず、少年は困惑する。~ (僕は…誰? ここは…ドコ? 何を…していたの?)~ 思い悩む少年の背後で、腹を空かせたオルヴァンが息を忍ばせていた。~ ~ 【 独りと独り 】~ (新月の晩であれば、たまには散歩も悪くない)~ 墓地を抜け、アルビーズの森へとやってきたオリアクスは、自分がイーゴに拾われたのもこの森だった事を思い出す。~ 世の中の一切合切が面白くもなんともなく、手当たり次第に突っかかっていたあの頃――。~ ――と。~ オリアクスは、次第に高まっていく何者かの息遣いを耳にし、周囲を見回した。~ 前方には、ぺたりと座り込んだ少年と、獲物を狙うオルヴァンの瞳……。~ (――短い生涯だったな、坊主……)~ 口中でつぶやき、踵を返すオリアクス。~ ……だが、どうも気にかかる。~ (ここで会ったのも、マブ神の導きかも知れん)~ そう思い直した彼は、いつでも魔法を放てるよう精神を集中させ、少年へと歩み寄る。~ オルヴァンは、彼の気に怖気づき、ゆっくりとその場から立ち去った。~ 少年の前にしゃがみこんだオリアクスは、~ どこから来た?~ とも、~ 両親は?~ とも聞かなかった。~ ただ一言だけ~ 「来るか?」~ と問うた。~ 黙って手を差し出す少年。~ これが、全ての始まりだった。~ ~ 【 ユン 】~ 少年は、記憶をもたなかった。~ 名も、もたなかった。~ オリアクスは彼をムトゥームへ連れ帰り、「ユン」と名付けた。~ そして、マブ教の歴史やイーゴのことを語って聞かせる。~ ユンはそれらの知識を次々と吸収し、次第にオリアクスになついていった。~ (闇の道へ……引きずり込んでやるか)~ オリアクスは密かに口角をあげる。~ 最初はオリアクスの傍でじっとその仕事振りを見ていたユンだったが、記憶は一向に戻らない。~ その事実は、日を追うごとに少年の中で大きな不安へと姿を変えていった。~ (行かなくちゃ……でも、ドコへ?)~ (お外で色んなものを見たら…何か思い出せるかな?)~ ユンはオリアクスの目を盗み、ムトゥーム地下墓地の外へと足を踏み出した。~ 今日もマブについて語ってやろうと、ギルドの仕事の合間にユンを呼びつけるオリアクス。~ しかし、彼の姿はどこにもない。~ (あんの坊主…。せっかく助けてやったってのに、勝手に死なれては困るぞ)~ ――オリアクスはユンを連れ戻すため、方々へと指示を飛ばした。~ #endregion |~クエスト名|~発生条件|~達成条件&Tips|~報酬|~備考|h |~ユンを探せ!(仮)|オリアクスがアルビーズの森で発見し、ムトゥームへと連れてきた少年――ユン。記憶を失くしているユンは、その断片を探すために、ムトゥームをたびたび抜け出します。彼がムトゥームを離れると、オリアクスから皆さんへ「ユンを探して欲しい」というお願いがなされます。あなたは、各地を転々とするユンを見つけることができるでしょうか……?|・オリアクスのアナウンスが流れたら、各地に現れるユンを探します。&br;・ユンを見つけたら、【ユン】と【見つけた】という言葉を、【ユンの目の前(Say)】で伝えてください。|ユンのリュックサック|| ■Scene.02. マブ神祭 -前夜祭-~ #region(※ストーリー) 【 異変 】~ 一生懸命つくったリュックを抱きしめ、ユンはここ数日間のことを思い返していた。~ 元気に川を泳ぐ、魚の親子。~ 眠気を誘う、森の木漏れ日。~ 頬を撫でる、優しい風――。~ まだ何一つとして思い出すことはできなかったが、それらは彼の心に新鮮な感動を与えていた。~ (今日は何をしよう?)~ (明日はドコへ行こう?)~ ユンの期待はどんどん膨れ上がっていく。~ (よし!今日は海を見に行ってみよう!)~ オリアクスがギルドメンバーに指導している隙を見計らい、ユンは再び外へと飛び出した。~ ミーリム海岸で潮風に吹かれていたユンは、自分を呼ぶ声に振り向いた。~ どうやら、オリアクスがユンを連れ戻すために差し向けた、冒険者らしい。~ 記憶のカケラを見つけられずにいるユンは、自分が作ったリュックをそっと差し出 した。~ 「もう少し、お外にいたいんだ…。これをあげるから、オリアクス兄ちゃんにはナイショにしてくれないかな?」~ ゾウの形をした、つぎはぎだらけのリュックサック。~ 愛くるしいその瞳に見つめられ、冒険者達は困ったように顔を見合わせた。~ 「あ…あれ? なんだろう…頭…クラクラする…っ…」~ 突然の頭痛にふらつくユン。~ ――そして、その直後。~ 「な、なんだコイツら! アッチ行けよっ! お…お兄ちゃん、お姉ちゃん、助けて!」~ 腐敗した体で近付いてくる魔物に怯え、ユンは冒険者たちの背後でうずくまった。~ 勇敢な冒険者たちに助けられ、ユンはようやく顔をあげる。~ 頭の痛みは、いつの間にか消えてなくなっていた。~ 「お兄ちゃん、お姉ちゃんありがとう…ケガしなかった?~ ココは危険みたいだから、どこか別のところに行ってみるね」~ しかし、その次に訪れた場所でも、また、その次の場所でも……~ それらはまるでユンを追ってきたかのように、姿を現すのだった。~ ~ 【 マブ神祭 -前夜祭- 】~ ――その日。~ ムトゥーム地下墓地では、教祖イーゴ(Igo)の命により、マブ神祭の準備がすすめられていた。~ マブ教徒たちは、禁断のレシピとして封じられていた暗黒料理の一つ~ ――「レッド スープ」の解放に歓声をあげ、つぎつぎと生贄を血祭りにあげてゆく。~ 祭へ向けて、闇の力は日増しに高まって行くばかり…。~ ミーリム海岸と、ネオク高原では、漆黒の闇に紛れ、腐り果てた闇の生物たちがうろつき回るようになり、更にその翌日には、アルビーズの森とレクスール・ヒルズも、同じ現象にみまわれた。~ ダイアロス各地で相次ぎ起こる不可解な現象を人々が噂し始めた頃、その異変がただならぬ悪意を帯びていることを敏感に察知した者達がいた。~ ラル・ファク神に信仰を捧げる、アルケミスト・ギルドの長、ルーチェ。~ エルガディンの民を率いる、キング オラージュ。~ アルビーズの森でフォレスター達を束ねるウォルフガング。~ 3人はそれぞれの立場から、みなに警戒を呼びかけた。~ ダイアロス全土が不穏な空気に包まれる中、 ユンは不可解な現象に怯えながらも、記憶を取り戻すため外出を繰り返した。~ そして、その度に闇の生物が彼を取り囲むのだった。~ (なんだろう、気持ち悪いよ……)~ ユンの瞳が、未知の恐怖に揺れ動いた。~ #endregion ●このとき進行していたイベント内容 ■ マブ神祭 - 前夜祭 ■ 教祖イーゴ(Igo)より、マブ神祭を執り行うよう仰せつかったオリアクス。 その準備のため、前夜祭が開催されることになりました。 祭りに向け、マブ教徒たちは供物――「レッド スープ」作りに励みます。 一方、血の匂いに誘われた闇の生き物たちが、各地に姿を現し始めているようです。 |~クエスト名|~発生条件|~達成条件&Tips|~報酬|~備考|h |~ユンを探せ!(仮)|オリアクスがアルビーズの森で発見し、ムトゥームへと連れてきた少年――ユン。記憶を失くしているユンは、その断片を探すために、ムトゥームをたびたび抜け出します。彼がムトゥームを離れると、オリアクスから皆さんへ「ユンを探して欲しい」というお願いがなされます。あなたは、各地を転々とするユンを見つけることができるでしょうか……?|・オリアクスのアナウンスが流れたら、各地に現れるユンを探します。&br;・ユンを見つけたら、【ユン】と【見つけた】という言葉を、【ユンの目の前(Say)】で伝えてください。|ユンのリュックサック|| ■Scene.03. マブ神祭~ #region(※ストーリー) 【 マブ神祭 第一夜 】~ マブ教徒たちが一堂に会すなか、オリアクスの嬉々とした声が地下墓地に響き渡る。~ 「準備はいいかー!~ イーゴ(Igo)様より開催の旨を仰せつかった。~ 今日から3日間、マブ神祭を行う!」~ マブを、イーゴを、オリアクスを称える声が、怒号のように発せられた。~ 信者たちは、ムトゥームの祭壇や各地のソウル・バインダーを介し、邪神へ祈りを捧げてゆく。~ …それは、前夜祭で準備したレッドスープを飲み干すという、血塗れた儀式。~ 「いいぞ、お前たち。ふかい暗闇へ堕ちていくような絶望感を、楽しもうじゃないか…」~ 高まりゆく闇の気配を感じ、オリアクスは邪悪な笑みを浮かべた。~ ――やがて、血の礼拝により召喚されたマブの手先が、各地へ襲撃を行い始めた。~ 昨日までのアンデッドとは比較にならない、純粋な闇の生物が旅人へと襲いかかる。~ ビスクではルーチェが、~ ネオクではキング オラージュが、~ アルビーズの森ではウォルフガングが、~ それらを撃退するよう指示を出す。~ 一方、どこへいってもアンデッドに囲まれるようになったユンは、オリアクスの隣に寄り 添って、じっとしていた。~ 記憶は取り戻したかったが、外へでかけるのが怖くなってしまったのだ。~ 「お前も俺たちの仲間なら、ゾンビごときを恐れるんじゃない!…やつらは、お前に攻撃 なんぞ、してこんだろう?」~ オリアクスの言葉に、ユンはうつむいた。~ (だって…怖いし、気持ち悪いんだもん……)~ 「マブ神祭の気配を感じて、待ちきれずにでてきたに過ぎん。お前も礼拝を捧げ、こころ を闇に染めろ」~ (兄ちゃんのそばなら、きっと大丈夫。怖いことなんか、何もないんだ)~ しばらくムトゥームにいよう…ユンはそう、心に決めたのだった。~ ~ 【 マブ神祭 第二夜 】~ 血の礼拝が続くムトゥーム地下墓地――。~ 礼拝の力は闇を揺さぶり、[ミーリム海岸]と[ネオク高原]に、禍々しいマブ神のオブジェクトを打ち立てた。~ 日が沈むと、オブジェクトから湧き出してくる、マブの手先たち。~ 強烈な闇の力は、ラスレオ大聖堂やネオク・ラングにまで及び、アンデッド達が町を徘徊しはじめていた。~ ビスクではミストを筆頭に、ラル・ファク神への祈りの儀式が始められていた。~ ルーチェはその間も、街を守るよう懸命に呼びかけ続ける。~ また、ネオク高原でもキングオラージュが民をまとめ、魔物の撃退に尽力していた。~ ミクルが取り仕切る竜神への祈りの儀式も、着々と進んでいる。~ 各地で異変が起こっていることを知ったウォルフガングもまた、闇に屈することの無いよう、森の仲間たちを奮い立たせていた。~ 一方、ユンは祭壇を磨きに礼拝堂へと向かっていた。~ 祭の手伝いがしたくて、オリアクスから仕事をもらったのだ。~ 各地へ祈りを捧げにいっているのか、教徒の姿は見当たらない。~ ――かわりに、見たことのない小さな背中が目に入った。~ 自分と同じ子どもに違いない。~ ユンは親しげに歩み寄る。~ 「だぁれ?お祈りしにきたの?」~ 声をかけると、その人物はゆっくりと振り向いた。~ そしてユンの姿を認め――にやりと笑み崩れる。~ とたんに、ユンは祭壇に背をむけ、駆け出していた。~ ナゼかはわからなかったが、逃げなければいけない。そう、頭が警告を発していた。~ 口の中がカラカラで、胸が締め付けられるように苦しい。~ (僕、あの人のコト…知ってる?…誰?…誰っ?)~ (コワイ、コワイ…でも、何で…?)~ (何で僕、逃げてるの…? あのヒトは、誰?)~ ユンは混乱を抑えきないまま、オリアクスの元へと戻った。~ 「兄ちゃん、兄ちゃん、あのね、僕……!」~ ローブの袖をギュッと掴み、ユンはオリアクスの注意をひく。~ しかし、彼は礼拝の指導をするのに忙しく、ちらと彼を見て、~ 「すまんが、今はかまってやれん」~ 一言、そう告げただけだった。~ …そっと、手を離すユン。~ (僕…僕、どうしたらいいんだろう? あのヒトは、誰だったんだろう?~ …兄ちゃん、僕ね、なんだかすごくコワイんだ…)~ 真ん丸い瞳が、みるみる潤んでいく。~ ――しかし、オリアクスがその涙に気づくことは無かった。~ ~ 【 マブ神祭 第三夜 】~ 二晩の祈りの力を得て、ダイアロスを覆う闇はなおも深まってゆく。~ 祈りの力に呼応するように、[レクスール・ヒルズ]と[アルビーズの森]にも、禍々しいオブジェクトが姿を現した。~ どろどろに腐った臓器を引きずり、ビスク中央とランダル洞窟、ネオク・ラングをゾンビが埋める。~ 夜な夜な繰り返されるマブの手先の襲撃は、強まる一方だった。~ この異変の原因を突き止めるため、それぞれの勢力は動き始めていた。~ ミストは寝ずに、ラル・ファク神へと祈りを捧げ、キング オラージュは竜神への祈りの儀式に力を入れる。~ ウォルフガングも各地へ偵察を送る傍ら、決死の撃退を続けていた。~ (魔物を召喚しつづけている禍々しいオブジェクト――[マブズ・スピリット]さえ破壊できれば!)~ ……しかし、濃い闇の気配に包み込まれたそれは、一切を拒絶していた。~ 一方、祭だとはしゃいでいたユンは、火が消えたように大人しくなっていた。~ ときどきイヤイヤするように頭を振っては、不安そうな目でオリアクスを見つめる。~ その様子を気にかけつつも、オリアクスは知らぬ振りを通していた。~ (お前は、未来のマブ教徒。悩みぐらい1人で解決してみせろ…!)~ ――祭は、今宵で最後。~ マブ教徒たちは、我先にと争い、1度でも多く血の礼拝を捧げようと、各地を奔走していた。~ #endregion ●このとき進行していたイベント内容 ■ マブ神祭 - 第一夜 ■ 教祖イーゴ(Igo)より、ついに【マブ神祭】の開催が言い渡されました! 準備しておいたレッド スープを次々に飲み干し、邪神に血の礼拝を捧げるマブ教徒たち。 祭は、三夜に渡る祈りの儀式をもって完成されます。 礼拝を重ねるごとに、ダイアロス全土に膨れ上がる闇の気配……。 血の匂いに引き寄せられたマブの手先が、生者を死へといざないます。 ■ マブ神祭 - 第ニ夜 ■ 教祖イーゴ(Igo)より、ついに【マブ神祭】の開催が言い渡されました! 準備しておいたレッド スープを次々に飲み干し、邪神に血の礼拝を捧げるマブ教徒たち。 祭は、三夜に渡る祈りの儀式をもって完成されます。今日は、その第二夜です。 一夜目の祈りが効を奏し、[ミーリム海岸]と[ネオク高原]には、禍々しいオブジェクトが姿を現しました。 そこからは、夜な夜なマブの手先が召喚され、生者へと襲いかかっています。 ダイアロス全土に膨れ上がる闇の気配……。 ――止める手立ては、いまだ見つかりません。 ■ マブ神祭 - 第三夜 ■ 教祖イーゴ(Igo)より、【マブ神祭】の開催が言い渡されてから二日が経過しました。 準備しておいたレッド スープを次々に飲み干し、邪神に血の礼拝を捧げるマブ教徒たち。 祭は、三夜に渡る祈りの儀式をもって完成されます。今日は、その最終夜です。 [ミーリム海岸]、[ネオク高原]、[アルビーズの森]、[レクスール・ヒルズ]には、祈りの力を受け、 禍々しいオブジェクトが姿を現しました。 そこからは、夜な夜なマブの手先が召喚され、生者へと襲いかかっています。 ダイアロス全土に膨れ上がる闇の気配……。 ――止める手立ては、いまだ見つかりません。 ■Scene.04. 闇を討て!~ #region(※ストーリー) 【 ラル・ファクの奇跡 】~ 3日目の晩に捧げられた祈りは、各地の【マブズ・スピリット】に更なる力を与え、街中にまでその力を及ぼし始めた。~ 昼夜を問わず、繰り返しを襲撃を行う、マブの手先たち――。~ 安息の時は、遠のいていくばかりだった。~ 一方、ラル・ファク神への祈りの儀式を行っていたミスト達は、ようやく、異変の原因を掴みかけていた。~ しかし、地上を覆う闇の気配にさえぎられ、聖なる祈りは天に届かない。~ ラスレオ大聖堂、ミーリム海岸、レクスール・ヒルズ。~ そこに召喚される手先を倒し、闇の気配を薄めるしか、方法はない。~ 昼夜を通して続けられた手先との激闘の末、祈りはついに、天へと達する。~ ラル・ファク神の神託により、この異変はマブ教徒が引き起こしたものだという事を知るミスト達。~ 聖なる祈りは、マブに対抗する光へと姿を変え、ミーリム海岸の【マブズ・スピリット】を包み込んだ。~ 打ち消しあうようにぶつかり合う、闇と光。~ …やがて、強固と思われた闇の守りは霧散し、脆い本体が露呈した。~ マブの手先が[ミーリム海岸]と、[ラスレオ大聖堂]前で暴れまわる中、スピリットを破壊するための、決死の戦いが続く。~ ――そして、ついに。~ ミーリム海岸の【マブズ・スピリット】は砕け散り、マブの手先もろとも、消滅したのだった。~ ミーリム海岸に、暖かい陽光が降り注ぐ。~ 疲れを忘れ、冒険者たちは歓声をあげた。~ 竜神の神託により、ミーりム海岸の【マブズ・スピリット】が壊れたことを知ったキング オラージュは、手先の討伐と、儀式の強化をネオクの民に命じる。~ また、アルビーズの森でも、両者の祈りを高めるため、一丸となってマブの手先を無に帰していくのであった。~ ~ 【 闇からの逃亡 】~ (コワイ…コワイ…!あれは誰だったんだろう?)~ 祭の最中見かけた、見知らぬ人物…。~ 彼の笑みが、頭から離れない。~ 彼を見たときの恐怖が、心から離れない。~ それが誰なのかはわからないまま、恐れる気持ちばかりが膨らんでゆく。~ (どうしよう…ここにいたら、またあの人に会うかもしれない)~ ユンは、アンデッドたちを恐れる気持ちを押さえつけ、再びムトゥームを飛び出した のだった。~ どこからともなく現れたマブの手先に追われ、ユンは各地を逃げ回る。~ その間、頭に断片的に浮かんでは消えてゆく、記憶のカケラたち…。~ ユンは無くした記憶を取り戻しかけ、錯乱状態に陥っていった。~ (ムトゥーム地下墓地に似ている場所…、深くて、暗くて先が見えない…)~ (あれは、ドコだろう…?そうだ、オレ…僕、逃げてきたんだ…嫌だから)~ (血を見るのが、こわい、んだ…だから逃げてきたんだ…、ずっと遠い所から…)~ (誰も、助けてくれない。僕は、闇の中で一人ぼっち…。このまま死んだ方がマシだ!って。そう思ってたんだ…)~ ユンが、デスナイトやスカルパスに追われているらしい…。~ その事実を耳にしたオリアクスは、ユンを見かけたら戻るように言ってくれ、とマブ教の同志に言い渡した。~ (何か悩んでいたようだが…話を聞いてやればよかったか)~ そんな思いが、彼の心中に浮かんだが、【マブズ・スピリット】が破壊された今、ユンに構っている余裕はない。~ ~ 【 開かれた扉 】~ その翌日――。~ ミーリム海岸に続き、各地の【マブズ・スピリット】を覆っていた、闇の気配が霧散した。~ 各地の精鋭たちは、マブの手先と死闘を繰り広げながら、全力で【マブズ・スピリット】を破壊しにかかる。~ 3地点に残されていた闇の結晶は、次々に砕けてゆく…。~ やがて、ダイアロス中を恐怖に陥れたマブの手先は、【マブズ・スピリット】と共に、跡形もなく姿を消した。~ 「祭は…失敗だ」~ オリアクスは、唇を強く噛んだ。ビスクも、ネオクも、アルビーズも…壊滅的な打撃は受けていない。~ ――しかし。~ 地を揺るがすようなイーゴの声が、【祭の成功】を告げたのだ。~ 「闇の力は存分に高まり、【混沌の扉】が開かれた!【使者どもが、小僧を連れ戻しにやってくるぞ】!」~ オリアクスは、何のことだかわからずに、首を捻る。~ (連れ戻す小僧とは、どいつのことだ……?)~ 一瞬ユンの顔が頭をよぎったが、「まさか…な」オリアクスはその考えを打ち消した。~ #endregion ●このとき進行していたイベント内容 ■ 闇を討て! ■ マブ神祭は、とどこおりなく終了しました。 三日間の礼拝の効果が、[ミーリム海岸]、[ネオク高原]、[アルビーズの森]、 [レクスール・ヒルズ]のシンボルに流れ込み、強い闇の輝きを放っています。 マブの手先はついに町の中にまで姿を現し、昼夜を問わず、生者を死へといざない始めました。 一方、ラル・ファク神への祈りを捧げるミストは、この異変の原因をつかみかけていました。 マブの手先を滅した分だけ、闇の力は薄まり、祈りは天に届きやすくなります。 ルーチェの呼びかけに、冒険者達は武器を掲げ、光を取り戻すことを誓い合うのでした。 また、ムトゥーム地下墓地では、何者かに怯えていた「ユン」が、姿を消しました。 オリアクスは彼を気にかけつつも、祭の成果を見定めるため、ギルドを離れることができません。 ――ダイアロス全土を覆う闇の気配……。 マブ教徒たちの邪悪な笑みを、消しさることはできるでしょうか? ■Scene.05. 混沌の使者~ #region(※ストーリー) 【 決意 】~ 【混沌の扉より、小僧を連れ戻しに、使者が現れる】。~ イーゴが残した言葉は、オリアクス、そしてルーチェの心に波紋を広げていた。~ 連れ戻される小僧とは、ユンのことではないのか?~ 何度ぬぐっても、その疑念が頭を離れないオリアクス。~ 一方、ビスク周辺に悪しき気の高まりを感じたルーチェは、混沌の使者の存在を恐れ、ラル・ファク神に祈りを捧げていた。~ そんな中、デスナイトなどのマブの手先に追われつづけていたユンが、ラスレオ大聖堂へ助けを求めて転がり込む。~ ルーチェは少年の疲れきった様子に驚きつつも、奥の部屋へと運んだ。~ そして、薬湯を口に含ませ、休ませる。~ ユンがラル・ファク教に保護されている――。~ [暗使]メンバーより報告をうけたオリアクスは、あまりの出来事に目を瞬く。~ (デスナイトに襲われない場所を…と、考えたか)~ しかし、どうしてムトゥームへ戻ってこないのか?~ その一点が、どうしてもわからなかった。~ ユンが感じていた恐怖を、オリアクスは未だ知らずにいたのだ。~ ――その晩。~ ビスクの周辺では、マブ神祭の時とは異なる強烈な気が渦巻いていた。~ ラスレオ大聖堂で昏々と眠リ続けていたユンは、その気配を察して飛び起きる。~ (イヤだ…! アイツ等が、来る――!)~ いきなり騒ぎ始めたユンを落ち着かせようと、ルーチェは彼を力いっぱい抱きしめた。~ (この迷い子も、不穏な気配を感じ取っているのでしょうか…?)~ ルーチェの胸のざわめきは、次第に大きくなってゆく。~ ビスク周辺で【混沌の使者】が現れることを感じ取ったオリアクスは、ユンを迎えに行くため、立ち上がった。~ (…やつらが連れ戻そうとしてるのは、やはり――)~ イーゴが混沌の使者に号令をかける直前。~ オリアクスは間一髪、ビスクへと到着した。~ 彼の姿を見つけたユンが、助けて欲しいと泣き叫ぶ。~ 信じたくない話ではあったが、オリアクスの予感は的中していた。~ 混沌の使者が狙っているのは、まぎれもなくユンだったのだ。~ どうすべきか、逡巡するオリアクス。~ ――そして。~ 「お前たち、ユンを守ってやってくれ! ヤツは未来の暗使! 俺たちの同志だ!~ イーゴ様は思い違いをされている。~ ユンは、闇に怯えるただの子どもでしかないッ!」~ さらに、ルーチェに向き直ると、手を組むことを提案する。~ 「お前たちは、ビスクを守るため。~ 俺たちは、ユンを助けるため。~ 混沌の使者どもと、一戦交えようじゃないか…!」~ ルーチェは元よりそのつもりだ、と答えを返し、ラル・ファクの信徒へ協力を要請する。~ ユンを守ろうとするオリアクスを見ても、イーゴは余裕の笑みを浮かべたままだった。~ 「混沌の使者どもは、扉が開いている限り、小僧を追っていくらでもやってくる。~ その絶望、その恐怖――それらは全てマブ神のお力となる!~ オリアクス、お前もマブ神に絶望を捧げるがいい!」~ ~ 【 決戦…そして… 】~ イーゴの号令の元、混沌の使者――Chaos Age の生物たちが、ビスクの街中と周囲に次々と降り立った。~ そして、皆がラスレオ大聖堂へと歩みを進める。~ 一致団結した冒険者達は、ミーリム海岸で、レクスール・ヒルズで、街中で、Chaos Age の生物と渡り合う。~ 次から次へと出現する魔にくじけず、彼らは戦いつづけた。~ ――そして、静寂が訪れた。~ 勝利した!~ 喜ぶルーチェとオリアクスだが、ユンは小さな頭を抱え込み、教会の隅で震えていた。~ 「まだだ…兄ちゃん、まだ来るよ、終わってなんか無い…!」~ ユンの言葉を肯定するかのように、イーゴの声が響き渡る。~ 「小僧!貴様が戻るまで、ヤツ等は何度でもやってくる。~ 何度も! 何度も! 何度もだ!~ まだ血をみたいか! まだマブ神へ恐怖を捧げたいか! 」~ 礼拝堂にこだまする、悲鳴。~ あちらこちらで血が流れ、人が倒れてゆく。~ 終わりのない戦い。~ 果ての無い、戦い…。~ ユンはゆっくりと立ち上がると、弱々しく頭を振った。~ そして、ゆっくりとラスレオ大聖堂の外へ、歩みを進める。~ 「優しいみんなが倒れてく、そんなのイヤだ…!」~ 目の前にいる巨大な鎌を担いだ混沌の使者が、虚ろな瞳でユンを見ていた。~ 彼は1度、強く目を閉じると、決意したように顔を上げた。~ 「Chaos Age へ、帰る」~ ……と。~ オリアクスが驚いた目でユンを凝視する中、彼はゆっくりと自分のことを語り始めた。~ 「オレ…忘れていたことを、全部おもい出したよ。~ オレは、本当はココにいちゃいけないはずの存在…。~ …Chaos Age から逃げ出してきたんだ。~ どこまでいっても果てのない、暗闇がコワかった。独りぼっちで、血の匂いに包まれてた…!~ やらなきゃいけない事があったのに、それがコワくて、コワくて…時空の狭間へ飛び込んだ…」~ 混沌の使者がユンを乱暴に担ぎ上げる。~ 「たくさん迷惑をかけてごめんなさい。~ …でも、本当に楽しかった。~ オレは…ううん。僕、兄ちゃんたちと過ごした毎日のこと…絶対に忘れない」~ 使者が、地を蹴り舞い上がった。~ オリアクスは風に煽られながらも、ユンを掴むもうとして手を伸ばす。~ 「――ユンッ!待て、ユンッ!!」~ ユンは、泣きそうな顔で、じっとオリアクスを見ていた。~ 「どうして…記憶を取り戻しちゃったんだろう。~ どうして、このままでいられなかったのかな…?」~ ユンは精一杯涙をこらえ、オリアクスを見つめつづける。~ やがて、その姿は使者と共に、空へ吸い込まれていった。~ 「【混沌の扉】は閉じた! これで、もう逃げられまい…!~ 新たな闇が、覚醒するぞ…!~ ――マブ神に、栄えあれ!」~ イーゴの声が、静かな街に響き渡った。~ オリアクスは、やりきれない思いで、ユンが消えた空を睨み続ける。~ 「おかしいとは思っていた。~ なぜアンデッドが寄ってくるのか、デスナイトどもが追い掛け回しているのか……。~ だが、こんな別れ方はあるか?~ …立派なマブ教徒に育てるため、俺が何時間説教したと思っているッ!」~ 空を掴んでいた手を引き寄せると、オリアクスは肩を落とした。~ 「Chaos Age に何がある…?~ お前は、そこに何を残してきたんだ。~ お前は未来のマブ教徒、未来の暗使。~ なのに、俺が祭を成功させて、送り返しちまったのか…」~ ルーチェはオリアクスの横顔を見つめ、そして空を見上げた。~ Chaos Age へと、思いを馳せながら…。~ #endregion ●このとき進行していたイベント内容 ■ 混沌の使者 ■ デスナイトやスカルパスに追われ続け、逃げ場を失ったユン。 記憶を取り戻しつつある彼は、祭の最中に見かけた人物との遭遇を恐れ、ムトゥームへ帰ることができません。 どこかに隠れなくては。そんな状況の中、何度か足を踏み入れたことがある街――ビスクのことを思い出します。 「あそこなら、助けてくれるかもしれない…!」 彼は気力を振り絞って、ラスレオ大聖堂へと向かいます。 ラル・ファク教は、疲れ果てたユンを受け入れ、保護しました。 ルーチェは彼に薬湯を飲ませ、奥で休ませます。 ――その頃【ビスクの周辺】では、闇の気配が高まりつつありました。 ・ビスクの周辺で、闇の気配が高まっています。 ・腕に自信のある方は、アナウンスに従って、ビスクの周辺を訪ねてみましょう。 ■Scene.06. 混沌の地へ~ #region(※ストーリー) 【 回想 】~ オリアクスは、ユンを守れなかったことを悔いていた。~ 歯車が狂い始めたのは、いつ頃からだった?~ オリアクスは記憶をたどる。~ (――そう、マブ神祭。あの頃から、坊主の様子がおかしくなった。)~ 何者かに怯え、思い悩んでいた。~ しかしオリアクスは、祭のことで忙しく、彼に構っている余裕がなかった。~ 加えて、暗使の一員となるならば、1人で解決してみせろという思いも多分にあった。~ だがそれは恐らく、ユンの手に負えることではなかったのだ。~ (あの頃から、坊主の笑った顔を見なくなったな…)~ アルビーズの森で拾ったとき、恐る恐る……でも、しっかりと手を握ってきたユン。~ いつか兄ちゃんにも作ってあげるね!~ つぎはぎだらけのリュックを、得意げに見せたユン。~ 説教をするたび、真剣な表情で聞き入っていたユン。~ …いつの間にか、そんな毎日を新鮮に思っていた自分がいる。~ (祭は仕組まれていたとしても、坊主との出会いは偶然だった。~ …そう思いたいもんだな) ユンがChaos Age で果たさねばならないこととは何か――?~ 曇天を見上げ、オリアクスは口を一文字に引き結んだ。~ アルビーズの風は、冷たい。~ 一方、ルーチェもまた、心に沈んだ澱を感じ取っていた。~ ラスレオ大聖堂にユンを迎え入れた時のことが、脳裏に浮かび上がってくる。~ 酷く疲れた表情に、くたびれた衣服…そして、強い怯えを宿した無垢な瞳――。~ 魔物に追われていると聞き、ルーチェは胸が痛んだ。~ 一体、どれだけの恐怖を味わい逃げつづけたのだろうか。~ 少年が放つ、聖とも邪とも付かない雰囲気に気付きながらも、ルーチェは彼を保護した。~ 追い返すことができないくらい、ユンは弱っていたのだ。~ (迷える子羊を、救うことができませんでしたね…)~ 傍にいた者だからこそ感じるやり場の無い悲しみが、ルーチェの心をいっぱいに満たしていた。~ ~ 【 誰がための旅立ち 】~ ――翌日の晩。~ オリアクスは暗使ギルドの面々を呼び集めた。~ そして、Chaos Age へ向かうことを、皆の前で宣言する。~ 「お前たちには、正直に話しておこう。~ …俺はユンを連れ戻すつもりだ。~ あの坊主が、Chaos Age で何をしているのか?~ それは、わからん。~ マブ神祭を行ってまで、送り返さなければならなかった理由とは?~ それも、わからん」~ 周囲は静まりかえっている。~ 「だから、俺はその答えをこの目で確かめに行く。~ そして、ユンが助けを必要とするのならば、手を貸そう。~ ヤツは未来のマブ教徒、未来の暗使。~ …独り、闇の底に捨ておくわけにはいかん。~ それが、暗使ギルドを担う、俺の役目だ」~ 反論する者はなかった。~ 1度こうと決めたら、テコでも動かない彼の性格を知っていたからだ。~ 「しばらくの間、留守を頼む」~ そう言い残し、オリアクスは地下墓地を後にした。~ ――オリアクスがChaos Age へ向かったことを聞き知ったルーチェは、見透かしていたかのように小さく微笑んだ。~ 「迷える子羊のことを、案じていたのでしょう。~ 信徒を想うその気持ち…私にも理解できます」~ 報告をくれたアルケィナのメンバーにそう告げると、身支度を始める。~ 「…私も、あとを追う事にいたしました。~ ユンを連れ戻す、手助けをしたいと思います」~ 信徒たちが彼女の身を案じて次々と集まってくる。~ いずれも、ユンを助けようと使者との戦いに身を投じた者たちばかりであった。~ 「ユンが、ラスレオ大聖堂へと逃げ込んで来たあの日…、彼から聖とも邪ともとれない、不思議な気配を感じました。~ …ですが、彼は自らのそれに怯え、悩み、苦しんでいたようです。~ …イヤだ、コワイと泣き喚いていた声が、表情が、幾度もよみがえって来ます。~ あんなにも嫌がっていたというのに、救いの手を差し伸べることができませんでしたね…」~ みな、真剣な表情で聞き入っている。~ 「…ミスト様も、ユンのことは元よりChaos Age で何が起こるのかを、懸念されているご様子でした。~ 危険な旅になるかもしれません。~ 皆さまには、ギルドのことをお願いします」~ 共にChaos Age へ行くと、言い出さんばかりだった面々は、ルーチェの真剣な表情を見て、押し黙った。~ …そして、彼女の旅立ちを黙って見送ったのである。~ オリアクスとルーチェ。~ 2人は、Present Age から姿を消した。~ 深い闇の底に囚われたユンを、助け出すために…。~ #endregion ●このとき進行していたイベント内容 ■ 混沌の地へ ■ 混沌の扉の向こうへ消えたユンを助けるため、オリアクスとルーチェがギルドを後にしました。 [暗使]と[アルケィナ]では、留守を任された新しいマスターがギルドを切り盛りしています。 ――オリアクスとルーチェは、深い闇の奥底からユンを救い出すことができるのでしょうか? ・新しいギルド・マスターを訪ねてみましょう。 [暗使] Equa / [アルケィナ] Fresa ■Scene.07. 幻影~ #region(※ストーリー) 【 幻影 】~ 雷鳴が轟き、生暖かい血の雨が地面を赤黒く染めてゆく――。~ ユンに続いて、オリアクスとルーチェが旅立って後、Present Age の各地で異変が起き始めていた。~ やがて、逃げ惑う人々の中から、3人の幻影を見たという者が出始める。~ 「翼…見てる」~ 「白い…」~ 「…Chaos」~ 「闇…」~ 幻影と化した彼らは、一様に何事かを口走っては雨の向こうへ消えてゆく…。~ それは、Chaos Age で起きていることなのか、それとも心中の叫びなのか……?~ ――全ての結末は、Chaos Age に眠っているようだった。~ #endregion ●このとき進行していたイベント内容 ■ 幻影 ■ 混沌の扉の向こうへ消えたユンを助けるため、オリアクスとルーチェがギルドを後にしました。 [暗使]と[アルケィナ]では、新しいギルド・マスターが2人の留守を守っています。 そんな中、各地で奇妙な現象が起こり始めました。 オリアクスやルーチェ、ユンの姿をした幻影がうろつき、血の雨が地面を濡らすのです。 ――時空を越えるメッセージに込められた意味とは、何なのでしょうか? そして、オリアクスとルーチェは、深い闇の奥底からユンを救い出すことができるでしょうか? ・各地に、オリアクス/ルーチェ/ユンの幻影が現れます。彼らの声に耳を傾けてみましょう。 ■Scene.08. 神獣~ #region(※ストーリー) 【 暗主の使命 】~ (暗く、深い…闇の底。独り、泣く、冷たい…世界…)~ 混沌の片隅で、ユンは小さく呟いた。~ 四方八方から感じる、強い視線――彼には、その正体がわかっているようだった。~ ユンの顔が、苦しげに歪む。~ (この石コロに、自分を封じ込められたらいいのに…!)~ 右手に握り締めた小さな石を、彼は忌々しげに見つめた。~ ――結局、自分の力は人を傷つけることしかできないのか?~ ユンは頭を抱え、うずくまる。~ (イヤだ…イヤだッ…!~ オレが…神獣に…?~ なるしか…ない、のか…)~ その疑問に答えるものは、ない――。~ 虚空へと消えたユンを追い、Present Age を後にしたオリアクスとルーチェは、ようやくChaosAge へとたどり着いた。~ ユンのことを想う、多数の冒険者たちもまた、2人に続き混沌の地へと足を踏み下ろす。~ 果てなく暗く、冷たい空間――~ ルーチェは両肩を抱き、かすかに身震いする。~ 「ここが Chaos Age…。暗く、寂しいところですね…。~ 光と闇が混ざり合った、激しい力の奔流を感じます」~ それでも彼女は、“ユンを探しにきたのだ”と自身を奮い立たせ、表情を引き締めた。~ 「 …迷える子羊は、無事でしょうか?」~ 「準備はいいかー! お前たち、よく付いてきてくれたな。~ ユンを連れ戻すため、力を尽くすぞ!」~ 集まった冒険者たちを鼓舞すると、オリアクスも首をめぐらせ――ユンの姿を探し求めた。~ ……そして、前方に立ちすくんでいる、彼を見つける。~ 「――ユン! 無事だったか!」~ オリアクスの声に、ルーチェの表情が明るさを取り戻した。~ 呼びかけられ、ユンはゆっくりと顔を上げる。~ うつろな瞳が、2人の姿を捉えた。~ 「オリアクス…兄ちゃん…?~ ルーチェ…姉ちゃん…?~ それに、みんなも…~ …どうして?~ …ここは兄ちゃんたちの来るところじゃないよ…」~ 彼は目をそらすと、弱々しくつぶやく。~ 「…もう、諦めた。~ …オレは逃げられない。~ あの【神獣】を、受け入れるしかないんだ…」~ 後半は、ほとんど何を言っているのか聞き取れないほどに小さな声だった。~ オリアクスはユンに近付くと、その両肩を大きな手の平でしっかりと包み込む。~ 「何をグズグズ言っている!~ 俺たちは、お前を Present Age へ連れ戻すために来た。~ いいから…、来い。~ …詳しい話は、向こうでいくらでも聞いてやる!」~ 「また【器】が暴れているのかと思ったが、 妙な客が来たものよ…!~ わざわざ【サザン ゲートキーパー】の、餌食となりに来たのか? 」~ 頭へと直接響いてくる不快な声に、オリアクスが、ルーチェが、ユンが、ハッと顔をあげた。~ 姿は見えずとも、その強大な闇の気配はイーゴの物に他ならない。~ あまりにも強い闇の力にあてられ、ルーチェの顔が青ざめる。~ 「サザン…ゲートキーパー…?~ …【器】だと?」~ オリアクスは首を捻る。~ 神獣について、彼はほとんど耳にしたことがなかった。~ イーゴにとって必要なものであり、マブ教にとっても必要不可欠なものであるという程度の認識でしかない。~ (ユンと、何の関係がある?)~ オリアクスにはわからない。~ 「――【器】よ、喜べ!~ 【神獣】となった貴様が、最初に血祭にあげる贄が、目の前に―」~ 「…やめろッ! オレのことを勝手に喋るなッ!!」~ ユンの絶叫が背筋を這い上がるような、不快な声を断ち切った。~ 彼は目を瞑ると、地面に向かって吐き捨てる。~ 「…兄ちゃんだって、わかってるだろ…?~ オレは…オレは、人間じゃない…っ!~ …Chaos Age で生まれた、【神獣】を宿すための【器】なんだ!~ 【神獣】――【サザン ゲートキーパー】と1つになったら、オレは人をキズつけるだけの生物になる…」~ “血にまみれるためだけに、生き続けるんだ!”~ …ユンの叫びが、闇に吸い込まれてゆく。~ オリアクスとルーチェが彼を呆然と見つめる中、イーゴのクツクツとした笑い声が聞えてきた。~ 「…そう。こやつの命に価値などない!~ 必要なのは、【器】としての肉体のみ!~ 運命に抗うのは自由…。~ だが放っておいても、あと数日の命よ…~ Chaos Age で生き絶えれば、【肉体】は無に帰し、【魂】は永久に混沌の世界に囚われるだろう!」~ ユンの背中が、彼の言葉を肯定するかのように、小さく震えた。~ 「…だが、サザン ゲートキーパーと一つになれば、話は別だ。~ 【魂】は解放され、【肉体】は神獣として生き長らえることが出来る…!~ ――そいつは、闇に囚われることを恐れ、【神獣】と一体になることを決めたのだ!」~ 神獣とならず、この地で命を失えば、ユンの魂はこの混沌に囚われ解放されることはない。~ しかし、身体さえ受け渡せば、その魂は解放されるのだ。~ だから神獣になれと、イーゴは言っている。~ オリアクスはユンをひたと見据えた。~ なかば、憤っているかのように表情を固くして。~ 「…ユン。~ …お前、本当にそれでいいのか?~ 【サザン ゲートキーパー】に、身体を乗っ取られちまっても、いいのか!~ ――お前は、血を嫌い、闇に震えた。~ なぜ、受け入れる必要があるッ!」~ ユンはぎくりと身体をこわばらせ、オリアクスの視線を受け止める。~ 「――オレだってッ!~ …オレだって、イヤだよ!~ 神獣になんか、なりたくない!~ 楽しい時間を、一緒に過ごしたみんな…それを、オレの体で…この腕で…痛めつけるなんて…、イヤだ、イヤだよ…」~ ユンは、その場にぺたりと腰を落とした。~ そして、頭を両腕で抱え込むとイヤイヤするように、首を横に振る。~ 「でも、もうここからは逃げ出せない…。~ …兄ちゃんにはわかるでしょ?~ 忍び寄る、闇の気配…~ 【サザン ゲートキーパー】はそこまで来てる。~ …オレはもう、ヤツを受け入れるしか無いんだ…!」~ オリアクスも、それはこの場に足を踏み入れた瞬間から感じていた。~ 焼け付くような、強い視線――。~ これは神獣の物だったのだと、彼はようやく理解した。~ しばしの静寂の後、オリアクスはフッと笑みをこぼした。~ その目は、うずくまるユンを見つめている。~ 「――よし、わかった」~ その声から妙な響きを感じ取ったルーチェは、不安そうにオリアクスを見つめた。~ 「ユン。~ これ以降「オレ」と言うのはやめろ。~ 俺の知る坊主は、いつも「僕」と言っていた。~ …戻せ。~ そして、命が尽きる瞬間まで“人”として…“ユン”として、生きろ!」~ 「…え?」~ ユンが、ゆっくりと顔をあげた。~ オリアクスは彼と目を合わせず、大声で叫ぶ。~ 「――イーゴ様。~ サザン ゲートキーパーの【器】には、ユンの代わりに俺を使ってください。~ …たとえ、坊主があと数日の命だとしても、構わん…!」~ 「…兄ちゃん!~ なに言ってるの…?~ やめて…、やめてよッ!」~ 驚いてオリアクスに走り寄ったユンは、小さなこぶしで彼を殴打した。~ 「兄ちゃんは関係ない!」~ オリアクスは、ユンのことを気にもかけず、大声を張り上げつづける。~ 「…神獣の覚醒が、マブ教にとって――イーゴ様にとって大切なことは承知しています。~ なればこそ…その重責を、こんな坊主じゃなく俺に任せてください」~ ルーチェは、オリアクスをじっと見つめた。~ ……止めることはできない。~ 彼の瞳は、真剣そのものだった。~ 「…うぬぼれるな! 貴様ごときの力で、務まるとでも思っているのか!」~ 神獣はカオス生物の体を得てこそ、本来の力を発揮できる。~ 人間の体など、オモチャのように脆く、神獣は存分に力を振るえない。~ イーゴはそう言い捨てた。~ そして、ユンを庇おうとしているらしい彼を鼻で笑う。~ 「第一、子どもの姿をしていようとも、そいつはカオスの生命体。~ 本気を出せば、ビスクの街など、一撃で跡形もなく滅ぼすことができる。~ そんな化け物を助け、何になるというのだ?~ そいつの生きる場所など、どこにも在りはせんわ!」~ オリアクスを必死で止めようとしていたユンの手が、鋭い言葉を向けられて凍りついた。~ しかし、覚悟を決めたオリアクスにとって、その忠告は何の意味もなさなかった。~ 「俺は、どんな試練でも受ける覚悟がある!~ ユンが“人”として死ねるのなら…、俺の魂など惜しくは無いッ!」~ 食い下がる彼の様子がおかしくて、イーゴはついに不気味な笑い声を響かせた。~ 「…クックックッ!~ …面白い。~ 面白いぞ、オリアクス!~ 貴様は、マブ神祭をあそこまで成功させた男。~ そこまで言うのであれば、その力、見せてもらおう!」~ イーゴはオリアクスに“神獣となって後、この Chaos Age で人間たちを血祭りにあげ続けることが出来るか”と問うた。~ そうすることで、不完全な神獣は、力を取り戻してゆくことができる。~ そしてそれと同時に、オリアクスの肉体と精神は混沌へと引きずり込まれてゆく――。~ オリアクスは、即座に頷いた。~ 覚悟は当の昔――ユンを追うことに決めたときから出来ていた。~ 「オリアクス、本気で言っているのですか!~ あなた様の魂は…この暗闇に呑まれてしまうのですよ!?」~ ムダだとわかっていながらも、ルーチェは問いかけずにはいられなかった。~ オリアクスは一言だけ、「――構わん」と答えると、冒険者たちに向き直る。~ 「…お前たち。~ 俺は本望だ。~ イーゴ様に拾われ、闇の力に染まり、ギルドを率いてきた…。~ たくさんの、愛すべき信徒にも恵まれた。~ …悪くない時を、過ごしたと思う。~ 闇の力は不滅だ。~ …マブ教徒ども、ダイアロスを紅に塗り替えろ!~ …マブ神祭で深めた血の結束を、ムダにするんじゃない!」~ オリアクスを追ってきたマブ教徒たちは、口を閉ざし、その言葉を心に刻み付ける。~ ついで、オリアクスはルーチェに顔を向けた。~ 「お前とは色々とぶつかりもしたが…今となっては良い思い出だ」~ (俺たちの元で暮らしていた坊主を追って時代を超えるなど、どうかしている。)~ 全く予測していなかった出来事なだけに、カオスゲートでルーチェと会った時、思わず笑ってしまったほどだ。~ ルーチェは、「迷える子羊を救うことは、私たちの使命です」と前置きした上で、真っ向 から彼を見つめた。~ 「ですが、それだけではありません。~ 今回のあなた様の行動に、深く感銘を受けました…。~ …力になれず、口惜しく思います」~ そして、別れの挨拶の代わりに、こう告げた。~ 「…今後もマブ教とは、徹底的に戦わせて頂きます。~ …良いですか? あなた様と!~ でございます!」~ 彼女らしい言葉に、オリアクスはかすかに口角を上げる。~ そして「望むところだ」と、口中で応えを返した。~ 「兄ちゃん、イヤだ…、…僕、僕…っ…!~ …僕、何のお礼もしてない!~ …助けてもらうばっかりで…」~ ユンが、小さく嗚咽の声をもらした。~ 腰にしがみついている彼の頭を、オリアクスは軽く撫でる。~ 「――いいか、「ユン」。~ 俺が与えた名を、決して忘れるな。~ 最後まで、胸を張って生きろ。~ …命が尽きるその瞬間までな」~ 過去に失った物、これから失うであろう物、心の奥底に眠っていた、人を思いやる心…。~ ユンと触れ合う中で見出したそれらのことを思い、オリアクスは満足げな笑みを浮かべた。~ 彼は、ユンの頭からそっと手を離すと、ルーチェの方へと突き飛ばす。~ 彼女は、優しくユンを抱きとめた。~ 「――イヤ!イヤだッ!行かないで!」~ 「――そこにいるのだろう【サザン ゲートキーパー】!」~ オリアクスは両手を広げ、呼びかけた。~ 神獣の視線を痛いほど感じながら、彼は目を閉じる。~ 「さぁ…、来い!!~ 血塗られた御手に、栄えあれ――!」~ 「クックックッ…! 6体の神獣がこの時空に集う時、すべての力は我が物となる…!」~ イーゴの邪悪な声が響き渡るなか――地面が、鳴動した。~ 冒険者たちは戸惑い、ルーチェは暴れるユンを力いっぱい抱きしめる。~ 生暖かい風が吹き荒れるなか、ついに、それは姿を現した。~ オリアクスの、悲鳴も絶叫も無い。~ 静かに…だが、確かにそれは覚醒した。~ しかも、1人ではなく、2人、3人、4人――次々と増殖してゆく。~ 「人間とはいえ、暗使の頂点に君臨する男だけはある。~ 不完全ながらも、分身は作り出せるようだな!~ さぁ【サザン ゲートキーパー】よ!~ 血を浴び、本来の力を取り戻せ!~ 全てを混沌に沈めるのだ…!」~ ユンと冒険者を守らなくては――!~ ルーチェが面差しを険しくした矢先、「…ぐ……ッ!」サザン ゲートキーパーの口から、苦しげな声が漏れた。~ 「お、お前たち……、歯ぁ…くいしばれッ!~ …ここにいたら、…俺に…殺されるぞッ…!」~ それは、まぎれもなくオリアクスの言葉だった。~ 「次に、会うときは…容赦せん…!~ …だが、今は生き延びろ…!~ ユンと共に、帰れ……ッ!」~ その言葉と共に、視界が光に包まれた。~ 驚きのあまり緩んだルーチェの腕を払いのけて、ユンは「――今だッ!」小さな石を頭上にかざす。~ 「オリアクスッ!」~ ルーチェは無我夢中で彼の名を叫んだ。~ 「…さらばだ」~ オリアクスの声が耳に響く。~ 「――シシッ!」~ 純白の光が全てを包み込んだ。~ ~ 【 雪原の浮遊都市 】~ ――冷たい風が、頬を撫でた。~ ルーチェは、うっすらと目を開ける。一面に広がる、銀世界――。~ 彼女はゆっくりと体を起こす。~ どこも痛むところは無さそうだ。~ 周囲を見渡すと、冒険者達が立ち上がろうとしているのが目に入った。~ ――夢?~ 一瞬そんな甘い考えが頭をよぎったが、あの Chaos Age での出来事は確かに現実で起こったことだ。~ (…ここは…イプス雪原…? …Future Age へと戻ってきたのですね…)~ オリアクスが、最後の力を振り絞り逃がしてくれたのに違いなかった。~ 何と言う精神力だろう。~ …そしてこれが、彼に残された最後の良心だったのかと思うと、胸が潰れそうに痛んだ。~ 【サザン ゲートキーパー】となったオリアクスは、じきに人の心を失ってしまうに違いない。~ もはや彼は…「人」としての存在ではなく、【悪しき神獣の1人】として、混沌の地で新たな生を受けたのだから――。~ (Chaos Age のイーゴは、強大な邪念に包まれていました…)~ Present Age とは比較にならないほどの、濃い闇の気配……。~ 思い出し、ルーチェは小さく身震いする。~ Future Age でカオス・ゲートを開き、邪悪な力を一身に集めたのだろう。~ (全ての神獣が彼の元に集う時、あの者は、どれほどの力を掌握するのでしょうか…?)~ ルーチェは考えまいとして、頭を振った。~ そして、重大なことに気付く。~ ――ユンの姿が、無い。~ 「ユン? ユンッ! どこにいるのですかッ?」~ 広大な雪原に問い掛けるものの、返事は無い。~ ( まさか――?~ そんな、あと数日と言っていたはずなのに…!)~ 『ルーチェ姉ちゃん、みんな…、僕なら大丈夫だよ。心配しないで…』~ 穏やかなユンの声が、遠くから聞えてきた。~ 彼が無事なことを知り、ルーチェは胸を撫で下ろす。~ 『ねぇ…とっても大事なお話をするから、聞いてくれないかな?~ …僕ね、ここへ飛ばされる寸前に、【オリアクス兄ちゃんの意識】を封 じたの。~ Chaos Age にだけ存在する、記憶と意識を封じられる石――この【時の石】に、ね』~ ユンの声は、希望に溢れている。~ 『この意識を移す【身体】さえあれば、兄ちゃんを復活させられるかもしれない…。~ その可能性は、この Future Age に眠っているんだ。~ …この雪原のはるか上空に浮かぶ、【浮遊都市 バハ】にね!』~ バハでは失われた古代文明が暴かれ、人工生命体を作り出しているらしいこと…~ そしてそれは、ホムンクルスと呼ばれていること…。~ ユンは、Chaos Age のイーゴが話していたことを、ゆっくりと語ってゆく。~ 『…ルーチェ姉ちゃん、この【時の石】を受け取って…!~ 僕は、兄ちゃんの意識を封じるために、カオス生物としての力をほとんど使っちゃったんだ。~ …だから、僕じゃ復活させられない…。~ でも、兄ちゃんのことを大切に想う、勇気ある人ならきっと、何とかしてくれると思うんだ!」~ ルーチェの目の前に、小さな石が現れた。~ 彼女は、両手でそれを包み込む。~ (このような小さな石に、オリアクスの意識が……?)~ 「ユン、たしかに受け取りました」~ ルーチェは、しっかりとその石を握り締める。~ 『僕ね…自分の力は、人をキズ付けるコトにしか使えないと思ってた…。~ だから、最後の最後で、大切な人のために使えて嬉しい!』~ ユンは、照れくさそうに“エヘヘ”と笑った。~ 『…僕、もう行かなくちゃ…。~ オリアクス兄ちゃんがくれた、大切な大切な宝物だもん…。~ 一分だって、ムダにするもんか!』~ (動けなくなるまで色んな物を見て…色んな物に触れて…、たくさんのことを感じるんだ!)~ ユンは、固く決意する。~ 『…みんなの顔をみたら、泣いちゃいそう…。…だから僕、…このまま行くね』~ 遠ざかってゆく彼の気配を感じ、ルーチェの顔は切なげに歪んだ。~ 『人間の心、あったかい心。~ …幸せな気持ち。~ みんなと会って初めて知ったんだ。~ 本当にありがとう…。~ 僕を、「人」にしてくれて、ありがとう』~ 声が、遠く消えてゆく――。~ ルーチェは、そっと目を閉じた。~ 「――ユン。あなたは、強い子ですね…。~ 残された時間を、精一杯…生きるのですよ」~ ――と。~ ルーチェが握り締めていた時の石が、かすかに熱を発していた。~ (オリアクスが……呼んでいる?)~ 彼女は柔らかく微笑むと、冒険者たちへ顔を向けた。~ 「皆さま、…残念ですが、ここでお別れです。~ 私は、ユンが残した言葉を信じ、【バハ】へ向かいます。~ 邪神を信奉する愚か者ではありますが、~ ユンの身代わりとして命を捧げた彼を、~ このまま見捨てることはできません」~ 静かに雪が降り積もる、FutureAge。~ この、生命が絶えた時代に、一体どんな希望が残されているというのか?~ もし本当に、奇跡が残されているとしたら、それは……?~ 彼女は、空の高みへと思いを馳せる。~ 「この白銀の世界に眠る奇跡を、きっと呼び覚まして見せます…!」~ (――ラル・ファク神よ…この勇気ある者たちに、祝福を!!)~ ルーチェの祈りが、冒険者たちに光となって降り注いだ。~ ――希望と悪夢を乗せた【浮遊都市 バハ】が姿を現すのは、もう少し先のできごとである。~ #endregion ●このとき進行していたイベント内容 ■ 神獣 ■ Chaos Age - 火の門 - で再会を果たす、ユンとオリアクス、そしてルーチェ。 運命の歯車は、どのような軌跡を描くのか――? ※ 【ご注意】をお読みのうえ、Chaos Age にてイベントにご参加ください。 // *オリアクスの帰還〜囚われの聖女〜 [#e02f9375] -050615〜050617~ -第1期ストーリーイベント 第二章~ // *怪奇!イムサマス一家の踊らされる夏 [#m6a01812] -050805〜050807~ // *仁義無き大運動会 [#pc54b498] -051021〜051023~ //|~|~卵ころがし|051021(PEARL)&br;051022(EMERALD)&br;051023(DIAMOND)| //|~|~バルーンわり|~| //|~|~大木倒し|~| //|~|~木の実早割りマッチ|~| //|~|~ミラクル焼き芋競争|~| //|~|~ダイアロス・バインダーラリー|~| // *神竜の封印〜ノアストーン開放の日〜 [#c452c6bc] -051216〜051217~ -第1期ストーリーイベント 完結編~